タロちゃんとは偶然ですが
私も箱根彫刻の森美術館に行って参りました!
今年亡くなられた舟越桂さんの展覧会
『森へ行く日』
生前、開館55年記念に企画されたものです。
舟越桂さんの彫刻で特徴的なのが
外斜視気味の大理石の眼、憂いのある表情の人物像。
正面に立つと、視線は合わないのですが
むしろ外側から大きくこちらを見ているようで
私はまるで心まで見透かされるような気持になります。
見ているのに見られているという感覚は
作品を通して自分の中身を見ているような感じで
それは仏像と向き合う時ととても似ています。
奈良時代の仏像には楠が多く使われていました。
桂さんが楠を使っているところも
どこかシンパシーを感じるのかもしれません。
最後の作品は入院中に鉛筆で描かれた小さな世界。
草や木、雲が人物になった様なものなど
風景画がいくつか。
筆箱に入る定規程の大きさの細長い紙を
ヨーグルトのカップを切り取った台に立てかけてあります。
絵の裏を見るとティッシュ箱のパッケージで
「フィキサチーフまだです」
とボールペンのメモ書き。
(フィキサチーフは絵を定着させるのスプレーの事)
数々の彫刻やデッサンと同じく
残す作品として作られたんだな~
その中のひとつの絵に描かれた
木の枝に手を伸ばす人のシルエットは
生命を繋ぎ止めたかった舟越さん自身なのかな…。
生への執念を感じるというよりか
人間は自然の一部であり、
穏やかに生命を感じているような。
今までにも舟越桂さんの作品は
色々拝見しておりますが、
この世にもういないという想いがあると
やはり込み上げるものがありました。
再現されたアトリエには桂さんの気配を感じ、
たくさんの作品や貴重な映像、
かなりじっくり観れて嬉しかったです。
お空はすっかり秋ですね~